言葉を尽くしても伝えられないことがある

いくら言葉を尽くしても、伝えられないこともあるし、理解されないこともある。

留学エージェントの仕事の90%は言葉を使う。現地サポートも留学生と言葉でコミュニケーションを取るし、それを日本のご家族にお伝えするのも言葉だ。いただいたお問合せにおこたえするのも言葉だし、いろいろな情報を発信するのもほとんどが言葉だ。

私も、もう20年近くこの仕事をやってきていて、言葉の使い方についてはいつもいつも考えているし、できるだけ適切な言葉を選ぶこともできるようになっていると思う。

でも、いくら丁寧に言葉を選んで伝えたいことを伝えようとしても、全てがこちらの思い通りに伝わるとは限らないし、理解されるとも限らない。

それは、留学エージェントの仕事だけではなくて、いろんな仕事にも当てはまるだろうし、仕事以外でも、生活の、人生の、いろんな場面で同じことが起こるだろう。

そんなつもりで言ったのではないのに。そんなことを意図してはいなかったのに。もっと他のことを強く伝えたかったのに。ここを特に理解してほしいと思っていたのに。

こちらが届けた言葉が、こちらが意図した通りに伝わらず、理解されない。

もちろん、伝えかたがあまりよくないこともあるだろう。言葉の選びかたやタイミングが適切ではないこともあるかもしれない。

でも、それだけではなくて、どんなに丁寧に言葉を選んで伝えようとしても、伝わらないこともあるし、理解されないこともあるのだ。

それは、言葉の限界でもあるし、言葉の発信者と受信者一人ひとりの生きている前提が違うことも原因だろう。

では、伝わらない、理解されなければ、もう伝えることをやめるのか、もう伝える努力をしないのか、というと、そうではない。

いくら伝わらなくても、いくら理解されなくても、それでも丁寧に言葉を選んで、伝えようとすることが、とても大切だ。

それが、言葉を使うということであり、それが人をRespect するということであり、それが生きていくということなのだと思う。

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