ありがとうと言いなさいという指導

弊社もおかげさまで今年で設立19年目を迎え、十代二十代の留学生たちを長い間サポートしてきた。

最近は減ってきたけれど、中学高校留学生を現地でサポートするとき、どうすればいいのかと、以前は悩むことがよくあった。

たとえば、留学生を見守り始めて3年目くらいまでは、留学生に「ありがとうと言いなさい」という指導をしてもいいのだろうか、と考えていた時期があった。

現地でサポートしている我々が車でステイ先まで留学生を送り届けたとき、留学生を家によんでランチパーティをしたとき、体調が悪い留学生を病院に連れていったとき、ほとんどの留学生は別れ際に、「ありがとうございました」と私たちに言ってくれる。

でもたまに、中学生の年齢の人で、なにも言わずに帰っていく人もいる。そんな留学生に、

「誰かになにかをしてもらったときには、必ずありがとうと言いなさい」

と言ってもいいのか。そんなことを考えて、スタッフで議論したことがあった。

現地で中学高校生をサポートをしたあとには、必ず日本の保護者にご報告をする。そのときに、

「今日はこんなサポートをしましたが、ご子息、ご息女は、私たちに感謝の言葉をおっしゃらなかったので、「ありがとうと言いなさい」と伝えました。」

と保護者に伝えたとき、ほとんどの方は、「そう指導してくださって助かります」とおっしゃる。

けれどもしかすると、「単に現地でサポートする人が、ありがとうと言ってほしいだけだろう」と誤解される可能性も考えた。

「なぜ、こちらがお金を払っている人に対して、子どもがありがとうと言わなければならないのか?家まで送り届けることは、病院に連れていくことは、あたりまえの仕事の一部なのではないのか?ありがとうと言いなさいとあなたたちに言われることはない。」

と考える方がいるかもしれないと思ったからだ。もちろん、実際にそんなことをおっしゃった保護者はほとんどいない。でも、誤解される可能性はある。

また、こちらがなにかをしたその相手に対して、「ありがとうと言いなさい」というのも、なんだかはばかられる気もした。

そんなことを最初に考えて、基本的な方針を決めなければならないだろう、と議論をした。

結論は、こちらができるだけ言葉を尽くして説明をする前提で、結果的に保護者のみなさんや留学生本人に誤解されてもいいので、そこはきちんと指導をしよう、ということになった。

なぜなら、それが中学高校留学生にとってもっともいい方法だと考えたからだ。

誤解されたり、なにかを言われたりするのは、私たち現地でサポートをする者だ。

でもそれよりも、いろんな経験から、留学生が少しでも何かを学んで成長してくれることを願うなら、誤解をおそれずに、伝えるべきことはきちんと伝える。そこから始めるのが良いのではないか。

それが私たちの結論だった。

これに限らず、今でも、現地でサポートをしていて、私たち自身が、どうすればいいのか悩むこともまだある。

そんなときには、保護者のみなさんにも、留学生たちにも、きちんと言葉を尽くして私たちが伝えたいことを伝えて、そんなコミュニケーションの中からも、留学生たちがいろんなことを学んで成長してくれることを願う。

それが基本的な私たちのやりかただ。

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