アクシデントのように心を動かされる新しいものに出会う経験がなくなってきている

最近テレビ番組を見ないという方も多いだろう。

見るとしても、テレビ局のアプリを使って観たい番組だけを見るかもしれない。

以前のテレビの見方と何が違うかといえば、一つはコマーシャルが以前のように入ってこない。もう一つはザッピングして何となくいくつか番組を見て気に入ったものをそのまま見るということがない。

自分がこれを見ようと思った番組だけを見る。言い換えると自分が見たいものしか見ない。

それはとても便利で効率がいいようにも感じる。

でも、そういうことを続けていると、たとえば自分が全く興味のないものがふと目に止まったり、今まで出会ったことのなかったような映像や番組に出会ったり、そういう経験が極端に少なくなっていく。

いってみれば、アクシデントのように心を動かされる新しいものに出会う経験が少なくなっている。

これは、テレビの見方だけではなくて、スマホのアプリの使い方や、SNS の使い方なんかも同じようなもので、結局、自分が見たいものしか見ていないし、自分があまり興味がなかったり、今まで気づかなかったことに、ネットやテレビを通して偶然に巡り会う、そういう経験がほとんどない。

それは時間を効率的に使うという意味では悪いことではないとも思うけれど、どうも何かが欠けているようにも思う。

毎日の生活の中で、アクシデントのように何か新しいものに出会ったり、新しい人と出会ったり、新しいものを見たり聞いたり、そういう偶然の経験が、人生を変えることもあるし、また人生を豊かにすることもあるだろう。

もし、アクシデントのように心を動かされる新しいものに出会う経験が少なくなっているのなら、それは、人生を変えるきっかけや、人生を豊かにする何かに出会うことが少なくなっているということだ。

たまにはネット離れて、いつもと違う場所に行き、いつもと違う人達と、いつもと違う時間を過ごす。そういう経験を、自分から意識的につかんでいくことが、必要なのではないだろうか。

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