一人ひとりが違うものを見ている世界

Netflix などのサブスクリプション配信では、一つのアカウントで複数のプロフィールが使えるものが多い。

それぞれのプロフィールで、各自のお気に入りを別々に登録することができるし、過去の視聴履歴などから、それぞれに合ったお勧めの映画やドラマが表示される。先日私の家族のNetflix のお勧め動画をふと見ると、私に出てくるものと全く違う映画がたくさん表示されていた。

考えてみると、Netflix に限らず、ツイッターでも、インスタグラムでも、Facebook でも、そしてGoogle の広告でも、一人ひとり全く違うものが表示されている。SNSで流れてくる情報が友達のものとまったく同じという人は一人もいない。

同じSNSのプラットフォームを使っていても、毎日見ているものはそれぞれ違うのだ。そしてその「違い」は、それぞれの人の「お気に入り」や「過去の行動」に依存している。

そこで毎日見ているもの、お勧めとして表示されたものをもとに、これから何を見るのかを決めたり、もっと言えば、これからどう考えるのか、どう判断して、何をするのかを、それぞれの人が決める。

一人ひとりが、それぞれの過去の自分の行動に大きく依存したそれぞれの世界をずっと見ていて、そこから自分の未来の判断や行動を決めている、と言ってもいいだろう。

それでいいのだろうか?

この状態は、それぞれの周りにいる人たち、所属している社会、そして世界の人たちと、「共有している」何かが、ものすごい勢いで減っているようにも思う。

また、自分の過去の興味や行動履歴にもとづいて表示される自分だけへのお勧め情報が自分の未来の行動を規定しているのなら、偶然とかインスピレーションとか全く違う感性とか今までと違う自分とか、そんな「過去の延長線上にないもの」にめぐり合う機会が、以前よりもはるかに減ってきているようにも思う。

この状態が続くと、一人ひとりの行動や判断も以前とは違ってくるだろうし、それによって、社会も、世界も、そして人と人との関係も変わってくるだろう。

10年後、20年後には、それまでとはどこかが違う人々がいて、どこかがちがう世界になっているのかもしれない。

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