ビジネスの最終的な目的

ニュージーランドで起業して今年で13年。いろんな人に助けられて何とかここまでやってくることが出来た。ありがとうございます。

自分でビジネスをやっていていつも反省するのは、どうしても目の前の仕事に追われて、長いスパンで物事を考える余裕がなくなってくることだ。頭では、10年、20年単位のプランが必要なことはわかっているのだが、今日やるべきことが山のようにあって、ついつい遠くのゴールを見ることをしない。そして、1日の仕事をこなすことに集中するあまり、どうしても数字だけに頼るようになってくる。数字を見ただけで、過去と現在と未来の全てを見たような気になってしまう。

もちろんビジネスをするにあたって、いろんな数字は非常に大切だ。でも長いスパンの計画とゴール、そして大局を見る視点に欠けると、手にした数字の意味を読み間違える。

だから、どんなに忙しくても、常にしっかりとしたゴールを設定して、それに向ってぶれないように進んでいくことが大切だ。そして、何か大きな目標を一つ持つことが、長くビジネスを続けていく上で非常に大切なことだと思う。それは単に、従業員数や売り上げ、利益などの数字でもなく、また、お客様の満足や、ビジネスを大きくするとかそういう「自分のビジネス」の中で完結することでもなくて、もっともっと大きな目標だ。

その大きな目標を突き詰めて考えると、やはり最終的には、人のため、社会のために、自分のビジネスは何が出来るのか、というところに到達すると思う。思い切ってもう少し大きいことを言わせていただけるならば、人類のために自分のビジネスは何が出来るのか、ということだ。目標が大き過ぎると感じる方もいるだろう。でも、自分でビジネスをやっている上で究極の目標はやはり、人のため、社会のため、人類のために何か役に立つ、ということだと思う。

その日、その週、その月の利益を確保することも、もちろん重要だ。そのためには、お客様に満足していただかなければならない。ビジネスを大きくするためには、投資も必要だろう。その判断も、いろんな数字を見て決めなければならない。そして、たくさんのお客様が満足して、その結果ビジネスも大きくなる。それはそれでとてもいいことだし、経営者としては絶対にはずせない部分だ。

でも、それだけで完結してしまうと、時代や社会が大きく動いたときに対処できないように思うし、少し寂しい気もする。やはり、たとえ小さなビジネスであっても、人のため、社会のために何か役に立つということは、最終的な目標だと思う。その大きな目標のために、今日の仕事をこなし、今週の利益を確保し、お客様に喜んでいただく。そういうふうに、これからビジネスを進めていければ、と考えている。

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