日本でずっと暮らしている方とお会いしたときに、
「ニュージーランドの便座は冷たいですね」
とおっしゃった。
そして、
「だから日本がいいですね」
と、付け加えた。
確かに、NZの便座は冷たく、日本の便座は暖かい。特に冬、ニュージーランドでトイレに座ると、その冷たさに驚くことがある。意外とこういうところが生活の中で大切だったりする。頭では理解していても、感覚的にネガティブな印象を受けるとなかなか受け入れられない。
「NZの便座が冷たいから、ニュージーランドでは長く暮らしたくない」
その気持ちはわかる。
しかし、NZの便座が冷たいからといって、「日本が良い」とか、「ニュージーランドで長く暮らさない」を決めるのは、少なくない違和感を覚える人がいるのではないだろうか。
便座が冷たいのはわかる。でもだからといって、その国で長く暮らすかどうかをその理由で決めるのは、少し極端だ。
ただ、意外と私たちは、こうした些細なことで人生の大きな決断をしていることもあるように思う。
そこに自分の苦手な人がいるからその場所に行かないとか、
今人気のあるジャンルだからその仕事を一生続けると決めるとか、
ふと見たYouTubeで初めて知った人の言葉に感銘を受けて言われた通りに行動するとか。
そんなことをしている人も意外と多いのではないだろうか。
周りから見ると、「行く必要のある場所には苦手な人がいても行くべきだし、長く仕事を続けていくのなら今の人気だけで決めるのはリスクがある。誰だかわからない人が言っていることで自分の行動を変えることはない」と感じるだろう。
でも、「NZの便座が冷たいから長く暮らすことはしない」と考えるのと同様に、たった1人の苦手な人や、今だけの人気、一瞬見た知らない人の言葉で、自分の人生の大事な選択をしてしまうこともある。
それを「運命」だと言う人もいれば、「直感」だと言う人もいる。
でも、「そんな理由で大切なことを決めていいのか」というもう一つの視点を持ってみてもいいだろう。
みんな意外と些細なことで大切な選択をして、大きく人生を変えることもあるのではないだろうか。
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