本物のファーム体験

先週の金曜日、高校生ツアーグループはファームを訪問した。

ファーム訪問というと、みんなでファームに行って、羊を見たり、ファームの施設を見学したりする、というイメージだが、先週末のファーム訪問はそんな生易しいものではなかった。

まずファームに行く前に、「ガンブーツ(長靴)を履いて、汚れてもいい服装をしてきてください」とファームの人から言われていた。だからみんなロトルアに来てから長靴を買ったりして、また服装もジャージなど動きやすくて汚れてもいい格好をしてきた。

ファーム到着後はまずは羊の毛刈りの施設を見学し、みんな「羊を1匹刈るといくらくらいもらえるのですか?」などと質問をしていた。その後、トラックの荷台にみんな乗って、荷台の手すりにつかまってファームの丘をいくつも上った。途中「えっ、こんな坂を車で上るの?」というようなところも四駆でがんがん上る。みんな荷台にしがみついて、落ちないように必死だ。そして羊達がたくさん見えてきたところでいきなり下ろされて、「あの羊をみんなで追いかけろ!」と言われた。羊達はすでに逃げて200メートルくらい先の丘を走っている。みんなハアハアいいながら、丘を全力で走って羊を追っていた。

ファームの中腹に到着すると、今度は羊を追って狭い柵の中に入れ、お腹の虫を殺す薬を一匹ずつ飲ませた。羊は意外と力が強く、抑えているのが難しい上に、口をなかなか開けてくれない。みんな苦労しながら、一匹ずつ薬を飲ませていた。その後は、羊の体重測定だ。44キロ以上の羊はマーケットに出せるので、44キロ以上の羊には緑の洗濯ばさみを背中に挟み、それ以下の羊には違う色の洗濯ばさみを背中に挟む。体重測定は専用の機械があって、一匹ずつそこに乗せるのだが、これがまた難しい。

その後、ファームの頂上までまた車の荷台に乗って行くと、息を呑むような絶景が待っていた。「ここに立っていると、地球が丸いということを実感する」と誰かが行ったが、360度見渡せる高台からの景色は、街に住んでいると絶対に見られない。

そこからまた車に乗って10分ほど下りたところに、手作りの小さな小屋があって、そこでバーベキューランチをご馳走になった。ソーセージとラム肉のバーベキューは、ファーム経験で疲れた体にとてもおいしかった。しばらくその小屋の近くにある森などで遊んだあと、一番下まで下りてファーム体験は終了。全部で約5時間。みんなへとへとだったが、「ものすごく楽しかった!」と帰りのバスで喜んでいた。

ニュージーランドの本物のファーム体験、都会育ちの高校生達にとっても、人生のいい経験になったと思う。

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