私は子どもが嫌いです

子どもは、自分勝手でわがままだ。

昔、30年ほど前に、伊武雅刀さんという方が、「子供たちを責めないで」という歌を歌っていた。歌というよりも語りに近いものだったが、私と同年代か少し上の方なら覚えている方もいらっしゃるだろう。

その歌は、「私は子どもが嫌いです」で始まり、子どもがいかに自分勝手でわがままな存在か、ということを延々と語る。例えば、「子どもは幼稚で、礼儀知らずで、気分屋で、前向きな姿勢と無いものねだり、心変わりと出来心で生きている。甘やかすとつけあがり、放ったらかすと悪のりする。」などという歌詞が続々と出てくる。また、「泣けばすむと思っている所がずるい」とか「逃げ足が速く、いつも強いものにつく」とか、ケチョンケチョンだ。

もともとは、サミー・デイヴィスJr. の同名曲に日本語の歌詞を乗せた歌らしいが、原曲の歌詞とは内容が異なっているようだ。ちなみに日本語の歌詞を書いたのは、AKB48のプロデューサーの、秋元康氏だ。

この歌が流行ったとき、当時の大学生が「本当に、子どもって幼稚で礼儀知らずだよねー」と言っているのを聞いた伊武雅刀さんが、「お前らのことだ!」と怒っていたという話を聞いたことがある。大人から見れば、当時の大学生などは子どもと同じ、ということだ。

確かに、うちの6歳の娘などは、幼稚で礼儀知らずで気分やで、甘やかすとつけ上がって、ほったらかすと悪のりする。まさに子どもだ。でも、この歌を歌っていた伊武雅刀さんの言うように、大学生にもこの表現が当てはまる部分もあるかもしれない。ただ、6歳と大学生ではやはり全く違う。十数年の時間をかけてみんなおとなになっていく、ということなのだろう。

キックオフNZ の留学生の、例えば、13歳、15歳、17歳、19歳の学生のことを考えてみても、やはり2歳の違いは大きくて、13歳と15歳では、まさに大人と子どもくらいの違いがある。13歳の留学生達が後2年でこんな風になるのだろうか、というくらい、15歳の留学生達はしっかりとしている。言い換えれば、大人に近い。でも、15歳と17歳の留学生達を比べてみると、この2歳の違いもかなり大きい。今年の弊社の17歳の高校留学生達が特にしっかりしているということもあるだろうが、それにしても、2年でこんなに違うのか、と思う部分がたくさんある。また19歳にもなると、話をしていても大人同士の会話ができるように感じることも多いし、19歳の留学生から教えてもらうことも多い。

まあ留学生達については、留学をしているからこそ、2年ほどで見違えるほど成長するのかもしれない。今17歳の留学生達も、留学に来た当時と比べると、本当に大人になった、と思う。

「子供たちを責めないで」という歌は、実際は歌詞の言葉通り子どもをケチョンケチョンにけなす歌ではなく、本当は子ども達に愛されたいのに愛してもらえないのでひねくれている大人のコミックソングとなっているようだ。

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