留学のいろんなかたち
一口に留学生と言っても、いろんな人たちがいる。夏休みや春休みに2週間から6週間程度語学学校に通う、短期語学留学生。学生ビザで長期間学校に通う、長期の語学留学生。1年間就学も就労もできる、ワーキングホリデー。お子さんは小学校に通いお母さんは語学学校に通う、親子留学生。ニュージーランドの国技であるラグビーを学びに来る、ラグビー留学生。ポリテクや専門学校に通う、ポリテク/専門留学生そして、地元の高校に留学する、高校留学生などだ。
それぞれの留学によって目的が違う。長期語学留学生の多くは英語力向上が最も大きな目的だし、ポリテクに通う留学生は資格の取得や将来的な永住などを目的としている人も多い。そして、ラグビー留学生は、日本では受けることができない本場のラグビーの指導を受け、日本では出会えないレベルの高い選手と一緒にトレーニングをし、自分のラグビーの実力をできるだけ上げることが、大きな目的だろう。
ロトルアの高校留学生の中にも、高校でラグビーをやることを目的とした、ラグビー高校留学生がいる。男子では、ロトルアボーイズハイスクールが強豪高校として有名だ。そして、今年は、女子高校生の中にもラグビー選手がいる。
彼女は、中学3年生の2学期で日本の学校を修了し、今年の1月からロトルアの高校に留学している。週に2回放課後練習をして、4月から8月までベイオブプレンティラグビーユニオン地域の高校女子の大会に学校のチームで出場していた。ロトルアに来た当時は、英語も全く話せないところから始めて、地元の高校生と一緒に、雨の日も風の日も練習をしていた。練習や試合を見に行くと、いつも楽しそうに、そしてまっすぐなきれいな目をして、ニュージーランド人の中でのびのびとプレーをしていた。
そして、その彼女が、今年、ベイオブプレンティラグビーユニオンの、Secondary School Girls (高校女子選抜)の中に選ばれた。高校女子選抜チームは、各高校のチームの監督が推薦した選手の中から、ベイオブプレンティラグビーユニオンのセレクターがトライアルで選出する。ニュージーランド人でも、このチームに選ばれることはとても名誉なことだ。この中に、日本人留学生が選ばれたのは、おそらく史上初めてのことではないだろうか。快挙と言っていい。
今、7人制ラグビー(セブンス)が、オリンピック競技になろうとしている。もし正式種目に選ばれると、女子のチームも編成することになるだろう。その時、彼女は日本代表選手の一人として活躍してくれる可能性もある。これから注目の選手だ。
彼女は、いつ会っても、いつ電話で話をしても、明るくて前向きで元気一杯だ。日本からたった一人でやってきて、ホームステイをして、英語もわからない環境で、必要最小限のものだけで生活をしているので、本当は辛いことも寂しいこともあるだろう。でも、それをできるだけ見せずに、ラグビーと勉強に打ち込んでいる。彼女を見ていると、自分もがんばろうという気持ちになる。
わずか15歳で一人でラグビー高校留学をして、英語だけの環境で地元の学生と一緒に練習し、そして、地域の高校選抜選手に選ばれるまでになった日本人高校留学生が、ロトルアにいるということを、このブログをご覧になった方に少しでも覚えていてほしいと思う。
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