ニュージーランドは移民の国

ニュージーランドは移民の国だ。オーストラリアやイングランド、中国、インド、日本など、様々な国からの移民が、ニュージーランドで永住したり、働いたり、学校に行ったりしている。

移民を大きく2つに分けるとしたら、英語を日常会話で使っていた人たちと、英語は母語ではない人たちに分けることができるだろう。前者はオーストラリアやイングランドなどで、後者は日本や韓国などだ。

やはり、英語が日常会話の中心となるニュージーランドでは、英語で物事を理解したり、コミュニケーションを取れるかどうか、そのレベルがどの程度かということが、生活の内容や質に直結してくることがある。もちろん、英語でのコミュニケーションができないからといって、ニュージーランドで生活できないことはないし、英語ができるからといって、経済的に豊かな生活ができるとも限らない。でも、母語が英語の国で長期で暮らすには、英語でのコミュニケーションは欠かせない。

英語を母語としない日本で暮らしている人が、ニュージーランドに留学や就労、永住を目的として来る時に最も問題となるのが、英語だ。言い換えれば、オーストラリア人やイングランド人が、就労や永住の場所としてニュージーランドを選ぶのと、日本人がニュージーランドを選ぶのとでは、その気軽さが違う。英語という大きな問題を最初からクリアしている英語を母語とする人たちは、仕事を探すときにでも、リタイアした後に暮らす町を決めるときにでも、あたりまえのように、自国に加えてニュージーランドをその対象とすることができる。それに比べて日本人にとっては、就労やリタイア後の暮らしの中に、ニュージーランドに移るという選択肢はほとんどないだろう。

それは、個人の選択の幅を狭めるという点で、個人個人にとってはマイナスとも言えるだろう。ただ、日本という国全体にとっては、優秀な人材(=Human Resource)を自国内にとどめておけるという点ではプラスと言えるかもしれない。

ただ、今は時代が変わって、英語でのコミュニケーションに困らない日本人も増えてきている。若いときに留学して英語を身につけて、日本で活躍している人もたくさんいる。小学校での英語教育も始まり、英語が話せてあたりまえの時代も近いうちに来るかもしれない。

先日もこのブログで書いたが、そういう流れの中で、日本に住んでいる人が、海外で就労したり、永住したりするという選択肢を選ぶのは、自然の流れだろう。英語ができるということが、日本を離れて海外に移るという選択を容易にする。

そしてそうなると、日本の中の優秀な人材が海外に流出してしまうという問題も起こってくる。日本ではグローバル化に対応するために、若いうちからの英語教育に力を入れる方向にあるが、多くの人が英語でのコミュニケーション能力を身につけることで、優秀な人材が海外に出ていてしまい、日本の中のHuman Resource の内容に影響を与えることも大いに考えられる。

英語ができる、即、海外移住ということにはならないだろうが、選択肢の幅が大きく増えることには間違いない。その時に、日本という国が人々にとって、働いたり学んだり、そして歳をとってから暮らしたりするのに、魅力的な国であることが、優秀な人材を日本にとどめておく一つの大きな要因となるだろう。

何年か後には日本でも、優秀な人材が数多く海外に流出するということが、大きな社会の問題になる可能性もあると思う。

キックオフNZのSNS