ニュージーランド現地無料留学エージェント

私が小学校低学年の頃は、日本は高度経済成長期で、暮らしはどんどんよくなって、国全体の経済も右肩上がりがずっと続くと誰もが信じていた。

その後オイルショックなどもあったけれど、日本の経済成長は安定期で、1980年代後半からのバブル景気の頃は、21世紀になっても日本は経済的にも世界のトップに居続けるとみんな思っていた。

だから、その時代の中学生や高校生、大学生達が、自分の将来のことを想像したときには、自分に子どもができて親になって一つの家族を作ったとき、自分が子どもの時と、少なくとも同じような生活ができるだろう、と漠然と考えていた。少し頑張れば、ひょっとしたらもっと「いい生活」ができるかも、とも思っていた。

間違っても、将来は経済的に貧しい生活をしている、という想像は全くできなかった。それは、自分個人の問題というよりも、日本全体がずっと豊かになっていき、日本にいて周囲と同じように進んでいけば、きっと自分も豊かになる、と信じていたからだ。

でも、バブル経済の崩壊後、平成不況に入り、1990年代は失われた10年、2000年代は失われた20年などと呼ばれ、2010年代になっても景気は回復していない。

今年日本の高校に入学する人達は、2000年4月から2001年3月の間に生まれたので、生まれたときにはすでに失われた20年が始まろうとしていた。生まれてから中学卒業まで景気のいい右肩上がりの国の生活を知らずに育っている。弊社の高校留学生達も、2000年生まれや2001年生まれがたくさんいるようになってきたけれど、彼ら彼女らは、右肩上がりの日本の生活を全く知らない。

そんな中学、高校生達が、例えば、将来子どもができて親になって一つの家族を作ったときのことを想像すると、今と同じような生活が果たしてできるだろうか、と考えるだろう。右肩上がりの経済成長を知らない子ども達が、将来もっと「いい生活」ができると想像するのは難しい。

でも、今の中学高校生の親御さん達は、10代、20代の頃にバブル経済を経験した年代だろう。だから、自分の子ども達が大人になって家族を持ったときには、今の生活よりも「いい生活」ができている、と何となく思っているのではないだろうか。日本にいて周囲と同じように進んでいけば、きっと子ども達も豊かになる、と漠然と考えている。

おそらくそこに、今の中学高校生達と、親御さん達とのギャップがあるように思う。

失われた20年を過ぎても失われ続けている日本で、周囲と同じように進んでいっても、今の中学高校生達は、今の生活よりも「いい生活」はできない、と考えるべきではないか。

とても厳しい現実だけれど、今の中学高校生達が大人になって、中学高校生の子どもを持ったときには、今の生活と同じような生活はおそらくできない。正確に言えば、同じような生活ができる人達は限られている。

そして今の中学高校生達は、言葉では説明できないだろうけれど、おそらくその現実に気がついている。

国全体が右肩上がりの成長をせず、周囲と同じように進んでいっても、自分の生活は豊かにならないのであれば、一つは国全体が右肩上がりになるように力を尽くすこと、もう一つは、日本で周囲と同じように進んでいくことから離脱する、という選択肢があるだろう。

日本の中学高校生達は、とても厳しい現実に向かって行こうとしている。