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クライストチャーチに年に何度か行く。

ロトルアからクライストチャーチまでは飛行機で約2時間。ウエリントンやオークランドで乗り換える便もあるが、直行便も日に2~3便飛んでいる。

先日直行便に乗ったら、いつになくすいていて、20席以上あいていたと思う。ロトルアからクライストチャーチの直行便は、片側2席のプロペラ機で、100席程度で満席だ。

安定飛行に入った頃、右側にトンガリロ国立公園が見えてきた。北島で一番高い山々の上には、雪が積もっていた。とても美しい光景だった。

3人いた客室乗務員の一人が、おもむろに空いている右側の席に座った。事務仕事でもするのかと思って見ていると、ポケットから自分の携帯電話を取りだし、窓から下の景色を何枚か撮っていた。

後ろに座っていた乗客が、「すばらしい眺めだね」とその客室乗務員に声をかけた。写真を撮っていた客室乗務員も、「今日は特にきれいに見えるよ」と応じていた。

1時間ほど経った頃、一番後ろにあるトイレに行った。トイレの前には、客室乗務員がお水やコーヒーを出す準備をする狭いスペースがあって、別の一人の乗務員が立って、何かに一生懸命書き込んでいた。

ふとみると、数独だった。その乗務員は私ににっこりとほほえんだあと、また数独の雑誌に目を落とした。

トイレから出てくると、一番後ろの席の通路を挟んで、乗客と乗務員が楽しそうに話をしていた。何気なく聞いていると、南島のどの町が美しいか、という話だった。二人とも、まるで古くからの知りあいのように、楽しそうに話をしていた。

ロトルアを離陸して約2時間後、クライストチャーチ空港に到着した。何の問題もなかった。

乗客も乗務員も、楽しい時間を過ごしていた。