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ポリテクや高校での留学は、英語で何かを学ぶということだ。

語学学校では、英語で英語を学ぶが、学生は全員英語を学びに来た人なので、英語を完全には理解していないことを前提として授業が行われる。
また、語学学校の先生は、それぞれの母語が英語の習得にどのように影響を与えるのかを熟知しているので、例えば、日本から来た留学生はこういうところが苦手だとかいうことをわかった上で、それぞれの学生を指導してくれる。

それに比べて、ポリテクや専門学校、高校の授業は、ESOLの授業をのぞいては、英語を理解していることを前提として授業が行われる。ポリテクや専門学校の入学資格には、IELTSのテストで6.0ポイント以上をとることなど、英語力がある程度あることを証明しなければならない。IELTSで6.0というと、かなり勉強しないと取れないポイントだし、ポリテクのテキストを読んだり、先生が言っていることを聞き取ったりするには大きな支障がないだろうというレベルだ。

でも、IELTSの入学基準を満たした後で、ポリテクや専門学校に入学した日本人留学生でも、実際の授業を受けてみると自分の英語力のなさを痛感するという。最初の3ヶ月間くらいは、予習と復習をできる限りやっても、授業についていくのがやっとだ。

それには、いろいろな要因があるだろうが、一つ気づいた点を挙げると、英語を聞き取ってそれをそのまま書き留めることができるというリスニングのスキルと、英語を聞いてその内容を理解するというスキルは、思っている以上に違うスキルだということだ。

英語を聞き取って、何を話しているのか書き留めることができても、その内容を理解できないことは多い。それは、英語で話しているのを聞いた後、それを「理解する」というスキルが足りないからだと思う。例えば、日本語で誰かの話を聞いた場合、その言葉をそのまま聞いているだけではなく、おそらく脳の中ではその言葉全体を瞬時に要約して、自分なりに、「まとめれば、こういうことを言っているのだ」という作業を行っている。しかも、脳の中では、常にそういう作業を継続して行っている。その上、自分が何かを話さなければならないときは、自分で「こういうことを言おう」と思ったことを、具体的に最も適した言葉を選びながら、正しい文法に沿って表現している。

ポリテクや専門学校の授業を聞いて理解するということは、誰かが話していることが聞き取れるというだけではなく、聞き取った内容を全体として理解しなおすということだ。そのためには、英語で聞いた内容を、脳の中で英語でまとめなおして、更にそれを英語のまま理解するというスキルが必要だ。英語を聞き取れても、それを日本語に一旦直してまとめようとすると、授業の速度についていけないし、日本語に直して理解した内容は、英語で表現しなおすのが難しい。

この、英語を聞き取るだけではなく、聞き取った内容を英語でまとめて、英語のまま理解する、というスキルが、IELTSのリスニングで求められるレベルよりもはるかに高いという点が、ポリテクや専門学校の授業に、最初の間ついていくのが難しい原因の一つだと思う。

一旦英語で聞き取った内容を英語でまとめて、英語でそのまま理解できるスキルがつけば、ポリテクや専門学校の授業にもある程度ついていけるようになるだろうと思う。ポリテクや高校での留学は、英語で何かを学ぶということだ。