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シザーハンズという映画を見た。1990年公開のティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画だ。

クリスマス時期にテレビ放映されたりするので、ご覧になった方も多いと思う。また、最近のジョニー・デップ人気で、昔の映画を見直す方もいるだろう。

人造人間のエドワードは、両手がはさみのまま未完成の体で、生みの親である発明家の死によって一人大きな屋敷に取り残されてしまう。そこに、化粧品を売りに来たベグは、エドワードを家につれて帰り、家族と一緒に暮らすことになる。

近所の人々は、最初はエドワードの両手がはさみという特殊性を持ち上げ、賞賛し、そして利用する。突然やってきた異端者に対して、人々は驚きながらもその自分たちとは違う容姿、能力を、特別なものとして扱おうとし、自分のためにだけ利用しようとする。ところが、一度エドワードが人々の日常を脅かす存在とみなされた時、一転してその異端者を、日常を作っている自分たちのグループから排除しようと動き出す。一貫してエドワードをそのままの姿で受け入れようとしているのは、最初に連れてきたベグだけだ。最後はエドワードと恋に落ちるベグの娘のキムも、最初はその外見の違いによって彼を受け入れることを拒む。

私は、この映画は、「平穏な日常の中に突然現れた異端者」の物語だと思う。その異端者を周りの人々がどのように扱い、どのように受け入れないのか、というところが見所のように思う。異端者を賞賛して特別扱いすることも、異端者を排除しようとすることも、受け入れない、という意味では同じだ。

最後は、排除されるがままに、自分のもといた場所に戻るエドワードだが、そこにまで異端者を排除しようとして追いかけてくる人々に、彼は大きな反撃をする。異端者を人々の日常から排除しさえすれば、異端者がいなかったもとの状態に戻るので、人々にとってはそれでいいのだが、一旦異端者を排除しようと動き出した人々は、徹底的に、その異端者の居場所までを奪おうとする。エドワードの反撃は、居場所までも奪われようとした異端者の選択の余地のない行動だったのだと思う。

撮影当時27歳くらいのジョニー・ディップの演技がすばらしい。ほとんど台詞のない役にもかかわらず、エドワードの喜びや悲しみ、怒りなどが伝わってくる。