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こどもはなんにでも疑問を持つ。大人があたりまえだと思っていることや、あたりまえだとさえ思っていないこと一つ一つに、どうして?と聞く。
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「きれいな花が咲いたね」というと「どうして?」と聞く。「早く寝なさい」というと「どうして?」、「あしたは学校だね」というと「どうして?」、「今日は楽しかったね」というと「どうして?」。そして、「いちいちどうして、と聞かないように」と言っても、「どうして?」と聞く。

それだけ、いろんなことを知りたいと思っているのだろうし、いろんなことに興味があるのだろう。

なぜ、大人は「どうして」と聞かないのだろう。それは、世の中のいろんなことを知るようになるからだろうし、いろんなことに興味が湧かなくなってしまっているからでもあるだろう。

でも、実は大人も「どうして」と感じていることがあるのだろうけれど、その「どうして」に気がついていないのかもしれないし、気がつかないふりをしているのかもしれない。

ためしに、こどもが「どうして」と思うようなことを考えてみた。すでに大人になってかなりの時間が経ってしまっているので、新鮮な「どうして」や、斬新な「どうして」がなかなか出てこない。

長い時間をかけて唯一考えたのが、「どうしてハナは匂わないの?」だ。「ハナ」は「花」ではなくて「鼻」だ。世の中にあるものは、ほとんど匂いがある。お酒もタバコの煙も、芝生も桜の花も、そして、自分の腕や髪の毛にさえも匂いがある。では、自分の鼻の中の匂いというものは、ないのだろうか。

匂いがあるのなら、常に人は自分の鼻の中の匂いをかいでいるのだろうか。あるとすれば、それはどんなにおいなのだろう。生まれてからずっと鼻の匂いをかいでいるので、全く気がつかないという推測も成り立つ。ピュアな水を匂って、「無味無臭ですね」などといっているのは、実は、自分の鼻の匂いを感じているのではないだろうか。自分の鼻の中に匂いがあるのなら、どんなものを匂っても、常に自分の鼻の匂いがフィルターとなって、実際の匂いは感じられていないということなのか。

私は自分の鼻の匂いを知っている、という人がいたら、一度話を聞いてみたいものだ。