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服部まゆみ著「この闇と光」(角川文庫)を、友達に借りて読んだ。

ミステリーの物語で、最後にどんでん返しがあったり、思いもよらない展開になったりするストーリーはたくさんあるが、この闇と光は、今まで読んだ中でも一番意外なストーリー展開の物語だった。

失脚した父王と一緒に別荘に幽閉されている盲目の姫と、侍女の物語だ。前半の主な登場人物は幼い盲目の姫とやさしい父王、そして意地悪な侍女の3人で、場面も姫と父王が幽閉されている別荘の一室がほとんどだ。姫は目が見えず、失脚した父王と一緒に幽閉されているので、部屋の外にはほとんど出られない。だから、姫が成長するにつれて、いつ、どのようにして姫が外の世界に触れることができるようになるのか、読者はその点に意識を集中させながら読み進めることになる。

実際に姫は突然外の世界に出られることになるのだが、姫が出ていった外の世界は、意外な世界だった。

これ以上ストーリーを書くことはできないが、うまいストーリー展開に思わずうなってしまう。

時間がある方にはお勧めの1冊。