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「生物と無生物のあいだ」(福岡伸一著 講談社現代新書)を読んだ。生物学者が書いた専門分野の内容だが、文系の私が読んでもわかりやすく書いてあり、とても興味深く読むことが出来た。

やはり生物ってすごい、と思う。生きて活動しているということは、細胞レベルでいうとこういうことなのかと、驚く。そしてそれが自分の体の中でさえ、日常的に行なわれていることにも感動する。

よく言われているように、人間の細胞はどんどん入れ替わっていて、数ヶ月もすればほとんど全ての細胞が新しくなり、いわば数ヶ月前とは全く違う体になっているらしい。そうならば、数ヶ月前と今の自分は別人である、ということもできる。もし、自分が自分であると認識している脳の細胞もどんどん入れ替わっているのであれば、物質としての体も、それを認識している意識をつかさどる脳も、数ヶ月前とは別人だ。そんな時間の流れの中で生きていて、自分が自分であるというアイデンティティは、何を頼りにしたらいいのだろう、ということまで考える。事実に基づいて、過去の自分は別人だ、と考えることもたまには必要なのかもしれない。