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家の中でアリを見つけた。

ペストコントロールの専門家に聞いてみると、どこか外から家の中に入ってきているはず、とのこと。家の外にアリの行列を見つけたら、その列にクロスするように薬を撒いてみるといい、と青い色の薬をくれた。

その青い薬には、アリが好む甘い砂糖のようなものと少量の毒が混ぜられているという。

行列に薬を撒いてみた。撒くというより行列を寸断するように線を引く、という感じだ。薬は水彩絵の具のようにドロッとしている。

10分もすると、たくさんのアリが薬に集まって来た。そして何匹かのアリは、うれしそうに青い薬を両手に掲げて巣に運んでいた。巣に運んだ薬を女王アリが食べて死ぬともうアリはやってこないそうだ。

甘いものを見つけて、「おお!これはラッキーだ。巣に持って帰ろう!」とうれしそうに運んでいるアリ達。毒とも知らずに甘い部分だけに反応している。

しばらくその様子を眺めていて、ふと思った。

人間も同じようなことがあるのかもしれない。

これはラッキーと、甘いものを見つけて有頂天になっていると、それが実は毒だったということ。自分で見つけたと思い込んでいる甘いものは、誰かが仕掛けた危険なえさで、それに釣られているだけということ。

しばらくすると家の中のアリはいなくなった。