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昨日の日本の新聞のオンライン版に、「日本の高校生「一夜漬け」「授業中居眠り」最多」という記事が出ていた。

「国立青少年教育振興機構(東京)が13日発表した国際調査から、授業に受け身な日本の高校生の実態が浮き彫りになった。(中略)日本は「できるだけ自分で考えようとする」が33・3%、「勉強したものを実際に応用してみる」が10・2%で、ともに最低だった。」

とのことだ。

この国際調査を読んでみた。

高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書〔概要〕―日本・米国・中国・韓国の比較―

まず、調査方法だけれど、日本、米国、中国、韓国の普通科の高校に通う生徒と対象とし、有効回答者数は、日本が2015、米国が1540、中国2499、韓国1800となっている。男女比はどの国もほぼ同数かやや女子が多く、学年は高校1年生から3年生まで、韓国を除きほぼ同じ割合だ。

新聞のタイトルにもある勉強方法について、勉強の仕方に関する質問で「試験の前にまとめて勉強する」は日本は約70%だ。これだけ見ると一夜漬けが多いように思う。けれど、米国もほぼ70%だし、韓国でも56.4%なので、日本だけが突出しているとは言えない。どの国の高校生も、試験前はがっつりまとめて勉強するのだ。

ただ、「できるだけ自分で考えようとする」が日本は33.3%なのに対し、米国が約62%、中国が約65%、「問題意識を持ち、聞いたり調べたりする」が日本が12.3%に対し、米国が34.5%、中国が52.7%、「勉強したものを実際に応用してみる」は日本が10.2%で、米国が65.5%、中国が34.2%、「教わったことをほかの方法でもやってみる」は日本が7.5%、米国45.8%、中国25.9%などとなっており、自分から能動的に勉強に取り組む姿勢は、日本は他国、特に米国や中国と比べて明らかに少ないことがわかる。

また、勉強の態度に関する質問で、「授業中、きちんとノートをとる」は日本が約80%と他国よりも多いけれど、「グループワークの時には積極的に参加する」は日本が25.3%に対し、米国68.1%、中国45.4%、韓国54.2%と、日本が圧倒的に低い。「授業中積極的に発言する」に至っては、日本は3.7%と、米国の14.9%、中国17.2%、韓国15.6%に比べると、ほとんどいないと言っていいくらいの数字だ。

これらの数字を見る限りでは、日本の高校生は授業中先生の話を聞いてしっかりとノートは取るけれど、自分から積極的に発言したり授業に参加することはしない、という態度が浮かび上がる。

パソコンやインターネットの勉強への利用についても興味深い結果が出ている。

ICT(情報通信技術)の活用に関する質問で、「Word など文章ソフトを使うこと」「Excel など表計算ソフトを使うこと」「PowerPointなどプレゼンテーションソフトを使うこと」「自分のブログやホームページを作成・更新すること」「簡単なプログラミングをすること」は日本はそれぞれ、20.8%、13.1%、11.1%、8.0%、4.8%と、4カ国中どれも最低だ。米国は文章ソフトを使う生徒が85.6%、プレゼンテーションが74.5%だから、勉強の仕方が根本的に違うのだろう。

学校生活に関する質問では、「学校が楽しい」と回答した生徒は日本が4カ国中最も多くなっているが、「学習や学校生活でどんなことが大切だと思うか」という問いには、積極的に部活動に参加することを選んだ生徒は日本が一番多く47.9%、逆にクラスのリーダーになることを選んだ生徒は7.3%と日本が最も少なかった。

有効回答数が1500から2500程度、対象国が4カ国だけの調査なので、これが今の各国の高校生を正確に表す結果かどうかはわからない。

でも、日本の小中高校生やその親御さん達は、この結果を見て何となく理解できる部分もあるのではないだろうか。

仕事にしろほかのことにしろ、世界の人達と関わる機会がどんどん増えていくこれからの時代に、自分自身が、あるいは息子や娘達が、これから高校まで日本の学校教育をずっと受け続けてもいいのかどうか、一度考えてみてもいいのではないだろうか。

YOMIURI ONLINE
日本の高校生「一夜漬け」「授業中居眠り」最多