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最近はどうなのかわからないけれど、日本で暮らしていた頃は、デパートのおもちゃ売り場で、床に大の字になって泣きながら、「これを買ってー!!」と大声を出している子どもをたまに見かけた。

これは、泣いたりすねたり大声を出したりして、大人を動かそうとしている子どもの行為だ。なぜそうするかと言えば、おそらくその子には、それで大人を動かした成功体験があるからだろう。泣けば、すねれば、大声を出せば、大人は自分の言うことを聞く。それを一度経験している。

また、「これを買ってくれたら、宿題を毎日きちんとやるから!ねぇ、買って!」という子どももいる。これは、大人が求めている交換条件を出して、大人を動かそうとしている行為だ。なぜそうするかと言えば、おそらくその子には、交換条件を使って自分のほしいものを手に入れた経験があるからだろう。大人が、「宿題をすれば、これを買ってあげる」と言って宿題をして買ってもらった。だから今度は、その経験を活かして自分から交換条件を突きつける。

そして、ひょっとしたら、満面の笑みでニコっとして、「これほしい!」と目を輝かせる子どももいるかもしれない。ただこれはおそらく、意図的に笑顔で大人を動かそうとしている行為ではないだろう。もしそうなら、驚きだし、ある意味すごい。

大人として、親として、やはり、子どもの笑顔が見たい。子どものうれしそうな顔が見たい。でも、そうは思っていても、時々、子どもの泣き声やすねた顔、大声、そして、交換条件に動かされてしまう。その後に笑顔を見ることができるけれど、その笑顔は、「自分が大人を動かしてほしいものを得た」という笑顔だ。

子どもに限らず、怒ったりすねたり、大声を出したり、また、交換条件を突きつけたりして、他人を動かすより、周囲の人が自ら動いてくれるような笑顔を見せるのがいい。

北風と太陽の物語は誰もが知っているけれど、気がつけば、子ども北風にコートを脱がされてしまっていることも多い。また、大人自身も、ニコニコぽかぽか太陽ではなく、強い北風を吹かせて周囲の人達を動かそうとしていることもある。

自然な笑顔で他人を動かしている人は、やはりすごい人だ。