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日本では、中学、高校、大学受験の時には、必ず「偏差値」が話題になる。

受験生や保護者の間では、「○○高校の偏差値は61だ」とか「△△大学の□□学部はその大学の中で一番偏差値が高い」などという会話をよく聞くだろう。あるいは、「××君は半年で偏差値を10も上げたんだって」ということもあるかもしれない。

でも、偏差値って何なのかをきちんと理解している人は、意外と少ないのではないかと思う。

日本の受験を話題にするときに出てくる「偏差値」はいわゆる「学力偏差値」のことだ。Wikipedia によると「学力検査の得点(素点)を、全体の平均点と標準偏差により正規化した値」書かれてあるけれど、これだけでは何のことかさっぱりわからない。

基本的には「ある一つの学力検査の、平均点と標準偏差の数値をもとに、その学力検査において、個人の得点が全体の分布のどの位置にあるのかを表す数値」なのだと思う。ある受験生のある試験の偏差値を求める、日本で使われている計算式は、その受験生の得点から平均点を引いたものに、10をかけて、標準偏差で割った結果に、50を足す、というものだ。だから、得点と平均点が同じなら、偏差値は50になる。

ここでのポイントは、「ある一つの学力検査」というところだ。

ある一つの試験の結果をもとに、「その試験で」ある受験生がどの位置にいるのかがわかるのが偏差値だ。だから、別の試験では、またその受験生の偏差値は大きく変わる。なぜなら、全体の受験生も変わるし、問題も変わるし、平均点も標準偏差も全てが変わるからだ。

そして、「ある一つの学力検査」というのであれば、英語なら英語の試験、数学なら数学の試験だけで偏差値を出すのが基本だ。複数の科目の合計得点の分布から偏差値を出すこともできるし、その方法はよく使われているけれど、全ての科目を全く同じ人が受けているわけではないので、「ある一つの学力検査」の偏差値とは少し意味が違ってくると思う。

そう考えると、「○○高校の偏差値は61だ」とか「△△大学の□□学部はその大学の中で一番偏差値が高い」などは、どういう意味なのだろうか。

これは、塾や予備校が、ある一つの模擬試験において、受験生の偏差値や過去の模擬試験の受験生の合格実績などをもとに算出した、「同じ種類の模擬試験でこのくらいの偏差値の受験生の多くが、過去にその学校に合格していた」という数値だ。だから、模擬試験のレベルや内容によって、学校の偏差値も変わる。

だから、「○○高校の偏差値は61だ」とか「△△大学の□□学部はその大学の中で一番偏差値が高い」などというのは、厳密に言えば、ある模擬試験の結果についてだけ言えることで、ずっと固定している数値ではない。

また、「××君は半年で偏差値を10も上げたんだって」というのも、同じような受験生の集団が受けた複数の試験の結果でないと、あまり意味をなさないだろう。

偏差値偏差値と言うけれど、それが何なのかを理解すれば、それほど大きな意味を持つものではないことがわかる。偏差値の細かい数値に振り回される必要は全くないのだ。