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「話した言葉を自動翻訳するペンダント型端末、パナソニックが試作 20年までに実用化へ」という日本のニュースがあった。主な用途として訪日外国人向け観光案内などを想定しているとのこと。具体的には5年後の東京オリンピックを指しているのだろう。

こういうツールが出てくると、「英語の習得は不要だ」とおっしゃる方が必ず出てくる。「だから留学に行かなくてもいい」とおっしゃる方もいるだろう。

確かに、観光客に道を尋ねられて答える程度なら、この自動翻訳機で十分かもしれない。でも、その程度の会話なら、逆に言えば自動翻訳機がなくても一ヶ月で習得できる。

私は、もし自動翻訳機が今後普及したとしても、留学が不要になることはないと思う。もっと言えば、自動翻訳機が普及すればするほど、留学を経験した人の力が必要になると思う。

言葉はコミュニケーションのツールだ。自動翻訳機もツールに過ぎない。単に英語を日本語に、日本語を英語に翻訳するだけなら、機械でもできる。また、英語を言葉として習得するだけなら、日本にいてもある程度はできる。

けれど、文化や習慣、考え方が異なる人達と円滑なコミュニケーションをとるためには、言葉ができるだけではだめだ。相手を理解し、自分との違いを考えながらコミュニケーションしなければいけないからだ。

そのためには、やはり異文化での経験が必要だ。言葉は理解できても相手が言っている意味が理解できないとか、文化の違う人達の行動に驚くとか、自分があたりまえだと思っていたことが全くあたりまえではなかったとか、話の途中で前提としていたことが全く違うことに気がつくとか、そんな経験をして、そこから文化や習慣が違う人達と円滑にコミュニケーションが取れるようになる。

だから、自動翻訳機を使っても、使う人に異文化の経験がないと、言葉が上滑りして、相手を理解する本当のコミュニケーションをとるのは難しい。

留学という経験を通して、英語力も身につくと同時に、異文化の中でのコミュケーション能力も身につけることができるのだ。