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ニュージーランドで長く暮らしていると、小さなものから大きなものまで、商取引は「契約の概念」に基づいて行われていることを、実感する。

例えば、大きなものでは不動産の売買や海外旅行、小さなものでは子どもの習い事、レストランでの飲食、家電の購入なども全て契約の概念が基本にある。

商品やサービスを売る側と購入する側がいて、提供される商品やサービスの内容とその対価として支払われる金額が事前に提示され、双方が合意して、商取引が行われる。それが契約に基づく商取引の流れだ。不動産売買や海外旅行などの大きな金額の商品やサービスはもちろんのこと、習い事や飲食、家電の購入なども、基本的にはこの契約の流れにそって行われている。つまり、その商取引には契約が成立している、と多くの人が理解している。

だから、商品やサービスを提供する側は、事前に双方が合意した契約通りのものを提供しなければならないし、購入する側は、契約以上のものを求めることは原則できない。

例えば、飲食店のメニューに書かれているビーフステーキが250gで野菜がついて30ドルと書かれていれば、飲食店はかならず250gのビーフステーキを野菜をつけて出す必要があるし、お客さんはそれに対して、メニュー通りのものが提供されているのなら、30ドルを支払わなければならない。それが、契約に基づく商取引だ。

「米国やニュージーランドなどでは、商取引において契約の概念がやかましく言われるけれど、日本の場合はちょっと違う。」とおっしゃる方もいるだろう。確かに、十数年前は日本でもそれが通用したのかもしれない。でも、そうおっしゃる方は、アマゾンで買い物はしないだろうか。グーグルは利用しないだろうか。フェイスブックは?マイクロソフトはどうだろう?

もちろんそんなものは全く利用しないという方もいるかもしれない。でも、今はそうでも、これからの時代、米国など海外発のネットサービスを全く利用せずに生活することは難しいだろう。

アマゾンやグーグル、フェイスブックを最初に利用するとき、必ず利用規約に同意しますか?と聞かれ、同意するをクリックするだろう。ほとんどの方は、内容をよく読まずに、あるいは全く読まずに同意するをクリックする。でも、それが商取引における契約行為だ、ということを自覚している方はどの程度いるだろうか。

アマゾンやグーグル、フェイスブックの登録時に同意するをクリックすれば、その時点で商取引の契約が成立したことになる。後で、「知りませんでした」というのは通用しない。なぜなら契約に同意したからだ。後から「読んでない」とか「知らなかった」というのが通用するのであれば、契約の概念が崩れてしまい、商取引を行うことができなくなってしまう。

ビジネスと顧客の間(B to C)とはまた少し異なる部分もあるけれど、例えば、ビジネス間(B to B)の契約で何か問題が起こったら、まず契約内容を確認しましょう、というのが原則だ。そして契約通りに物事が行われていない場合は、その部分に対処することで問題を解決する。もし契約通りに行われているのであれば、基本的には問題はないと考えることができる。この原則は、B to C でも大筋変わらない。

米国など海外発のネットサービスを利用する機会が増え、契約の概念に基づいて商取引をすることがあたりまえの人々やビジネスと売買をすることが、日本で暮らしていてもすでに行われている。

これからのネット時代で生きていくには、「契約の概念に基づく商取引」を、お客の立場であってもしっかりと身に付けておく必要がある。