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ほんの数年前、ワーキングホリデーの20代の若者と話をしていたときはまだ、「日本でも、英語でコミュニケーションができて当たり前の時代が目の前まで来ているよ」という話をしていた。

それから数年。今では、「日本でも、もう英語でコミュニケーションがとれて当たり前の時代が来ているね」という話を留学生としている。まだ日常では、「英語できるんですか、すごいですね」という会話が交わされることも多いかもしれない。でも、就職面接などでは、「英語はできるんですね。それで、他には何ができるんですか?」と言われることもあるだろう。若い人達にとっては、本当に厳しい時代だと思う。

だから、日本では小学生の頃から英語を勉強する人が増えている。もちろん、中学生や高校生、大学生や社会人も、「英語くらいできなければ」と、塾に行ったり、TOEICの試験勉強をしたり、英会話教室に通ったりする。

ニュージーランドで暮らしていると、英語でコミュニケーションをとる機会は当然多い。でも、例えば、日本語が流暢なニュージーランド人と2人で話をするときは、半分半分くらいの割合で日本語で話をする。会って最初に英語で話し出すとその後ずっと英語で、日本語で話し出すと後は日本語、という場合もある。そしてもしその場にもう一人日本語を母語とする人がいれば、その場合はほぼ間違いなく日本語で話をする。でも、日本語を母語とする人が2人、日本語が流暢なニュージーランド人が一人、そしてさらに英語しかわからない人がもう一人いれば、その場合は必ず英語で会話をする。

つまり、英語が公用語の一つであるニュージーランドにいるからといって、常に誰でもが英語で会話をしているわけではない、ということだ。さらに言えば、ニュージーランドにいても、例えばフランスにいても、英語で話をするかどうかは、あたり前だけれど、その場にいる人がどんな言葉でコミュニケーションができるかに全てかかってくる、ということだ。

これをもっと進めて考えると、世界中どこにいようが、相手が日本語で話をしてくれれば、こちらも日本語でコミュニケーションができる、ということだ。英語は必要ない。例えば、世界中の全ての人が、精度の高い高機能の自動翻訳機を持っていれば、英語を共通語として会話をしなくても、それぞれがそれぞれの母語を使って話せばいい、ということになる。

今、iPhone などに搭載されている機能を使えば、機械に英語や日本語で話をして理解させることが可能だ。この技術が進めば、ある人が英語で機械に話かけて、機械がそれを理解し、日本語に翻訳して日本語の音声で人に話しかける、ということも可能になるだろう。だから、英語と日本語でそれぞれ話をする人が、携帯電話で会話をしている、という時代が現実にくることも、簡単に想像できる。

既にiPhone に言葉を理解する機能があるのなら、後15年すれば、今書いたように、英語話者と日本語話者が、携帯電話で会話できるようになっているかもしれない。15年後といえば、今の小学1年生がまだ22歳だ。

だったら何故、小学1年生が今、一生懸命、英会話を習う必要があるのだろうか。15年後、携帯電話に向かって日本語で話せば、英語の話者と会話ができるようになっているのであれば、今、必死にRとLの発音の練習をする必要が本当にあるのだろうか。

時代は既に英語でコミュニケーションがとれて当たり前の時代に入っている。でも、技術が進めば、人が英語を習得することが求められる時代は一時的であって、それ以降の時代は、機械が全てやってくれる時が来るかもしれない。