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ニュージーランドの人達は定時になるとさっさと仕事を止めて、家に帰ったり、ジムに行ったり、趣味のグループの集まりに出かけたりする。

日本ではなかなかできないことだ。私も日本で仕事をしていたときには、定時になっても先輩や上司の様子を気にして、先に一人で帰るということは難しかったと記憶している。

ニュージーランドの人達が定時になったらパッと仕事を止めて職場を出ることができるのは、一つはそういう文化、慣習が仕事場にあるからだ。でも、ニュージーランドの高校の様子をずっと見ていると、もう一つの理由がそこにあるかもしれないことに気がついた。

ニュージーランドの高校では、各科目の授業「教室」が決まっていて、科目担当の先生がその教室にずっといて、生徒達が自分の時間割に合わせて教室を移動する。例えば、英語のLevel 2Aの教室で授業を受けていた生徒は、次の時間は、数学のLevel 2Aの教室に移動して授業を受ける。だから、授業時間の終了のベルが鳴ると、たとえ先生が黒板の前で話をしていても、生徒達は一斉にノートをかばんにつめて席を立って教室を出る。アメリカの高校が出てくる映画でも、ベルが鳴ると同時に生徒がどっとロッカーが並んだ廊下に出る、というシーンがよくあるけれど、ニュージーランドも同じようなものだ。

しかも、ニュージーランドの高校の時間割を見てみると、1時間目と2時間目の間には休憩時間が無いこともある。例えば、1時間目の終了時刻が10時で、2時間目の開始時刻も10時だったりする。その上教室を移動しなければならないのだから、先生は授業時間を延長してだらだらと話をしている暇は全くないし、生徒達は次の教室に一目散に向かわなければならない。

生徒達にとって教壇に立っている先生は、いわばその時間その場所のボスだ。授業中の時間配分や何をするのかはボスである先生が決める。でもひとたびその授業時間が終わると、先生が何をしていようが生徒達は次の教室に向かう。つまり、ボスの行動にかかわらず、生徒達は自分の判断でその場を去る。

このような生活習慣を高校で毎日毎日繰り返した人達が仕事についたら、どうなるだろう。定時になってもボスが職場にいたら気にして自分一人で帰ることはできないだろか。そんなことは無いだろう。高校で授業時間が終われば、先生がしゃべっていてもさっさと教室を出る高校生活を送った人は、仕事の終業のベルが鳴ると、ボスが何をしていてもさっさと職場を出ることに抵抗は感じないだろう。

日本でも、高校や大学で基本的には教室移動をして、しかも授業と授業の間の休み時間を極端に短くすれば、何年後かには仕事を定時でスパッと終わって帰る人が増えるかもしれない。