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ニュージーランドの複数の私立の専門学校やポリテクニックのスタッフから連絡があり、今年2013年から、ポリテクや専門学校に入学するときの英語力の基準が少し変ったという。

詳細は、NZQAという国の資格を管理する機関のサイトに掲載されているが、簡単に言えば、ニュージーランドのポリテクニックや私立の専門学校に、英語を母語としない留学生が入学する場合に課せられる、英語力を証明する基準に変更があり、ポリテクニックや専門学校のあるレベルに入学するためには、どの英語の試験でどのくらいのポイントを取得しなければならないかが、新たに明示された。例えば、ニュージーランドのポリテクニックや専門学校のCertificate かDiploma のレベル5のコースに入学するためには、最低限の基準としてIELTSで総合5.5ポイント以上かつ全ての技能で5.0ポイント以上の英語力が必要、などだ。

そして、英語力を証明する英語の試験も指定され、一つは当然IELTSの試験、その他には、TOEFL(pBT)、TOEFL(iBT)、ケンブリッジ英検(FCE、CAE、CPE)、そしてNZCELというニュージーランド独自の基準の試験の結果のみを受け付けることになった。つまり、日本で人気のあるTOEIC の試験で高いポイントを取得していても、ニュージーランドのポリテクや私立の専門学校に入学するときに、英語力を示す証明にはならなくなった。今までもTOEICは不可のところも多かったけれど、今年からは国が定めた基準にのっとって、今までOKだった学校も、TOEICを英語力の証明として受け付けることはしないだろう。

日本で英語力を証明する試験としては、TOEICか英検が有名だろう。日本の企業では、TOEICのポイントを入社時に提出させるところもあるようだし、社内で昇進するときにTOEICのポイントが考慮される会社もあるようだ。

だから、ニュージーランドに留学している高校留学生達も、TOEICの試験を受ける人もいる。何故TOEICなの?と聞いても、わからないけれどみんなTOEICというから受けるんです、と「なんとなくみんなが受けるから」という理由で受けている。

TOEICの公式サイトによると、TOEICの受験者数は世界で約600万人(TOEICプログラム全体・2010年)で、日本の受験者数は227万人(2011年度)とのことだ。年度が違うので正確ではないけれど、この数字から単純に計算すると、総受験者数の37.8%が日本の受験者ということになる。また、インターネットで少し調べてみると、受験者の9割が日本と韓国の受験者だと書いてあるサイトもある。公式サイト以外の情報の信憑性はわからないけれど、総受験者数の4割近くが日本の受験者だというのは間違いないだろう。

ただ、TOEICなどの英語の試験は、もともと英語を母語としない人たちを対象にした試験だし、英語を母語としない国の人たちが満遍なく英語の試験をうけることはないだろうから、ある国に受験者が偏ることも十分考えられる。しかし、少なくともニュージーランドのポリテクニックや私立の専門学校に入学するには、TOEICの試験は考慮されない現実を見ると、たくさんの留学生を受け入れようとしているニュージーランドでさえ、TOEICは英語力を測るメジャーな試験ではない。

基本的にTOEICは、リスニングとリーディングの試験でポイントが決まる。ディスカッションやプレゼンテーションの授業、レポートや長文の英文を書く試験があるポリテクニックや専門学校の入学基準英語力を測る物差しとしては、十分ではないのだろう。

だとすると、即戦力を求める日本の企業も、いつまでもTOEICを英語力を測る基準にし続けるかどうかは、わからない。いつか急に、TOEFLやIELTSの試験が使われるようになるかもしれない。だから、英語力をつけるためにTOEIC試験対策をして高得点を取っても、世界はもちろん、日本でもこれからもずっと評価されるとは限らないだろう。

英語力をつけようと思って、書店に行って、とりあえずTOEICの本に手を伸ばすという時代は、おそらくいつか終わると思う。